2011年11月 5日

下手こそ 111104.jpg
「noname」

・・・・・

今日も鉛筆を握る。

こんにちは。シンジです。



「字の上手い下手」と言えば日本人なら誰しも共感できるトピックである。

「なんとなくブログを更新しようと思った矢先のことだが、
我ながらなんと良い話題を思いついたことか」
などと自画自賛しているのだけれども、
良い話題なのは確かだけど、これがまた難題なのです。



知っている人は知っている、
知っていても何一つ得などしない情報を提供すると、
シンジはメモ魔である。

ことあるごとにメモを取る。

何か思いついたりすると、例えそれが交差点でも必死でメモをとる。

それが仕事に生きたりもすれば良い習慣なのだが、
肝心の仕事に関することは、まったくメモを取らないのです。

報告会などでも、
「シンジくん、先方からあの案件に関してうんたらかんたら」
みたいな連絡をせっかく頂いているにも関わらず、
シンジはうんうんと馬鹿みたいに頷いているだけである。
周囲の人はみなそういう時にメモを取るのだ。

シンジのメモ帳を見てみると、
本人の浅はかさと似通った浅はかな文章がひしめき合っている。

「キャップと頭の間にタオルを挟むと、なかなか不潔そうだ」
とか、
「散髪ばさみ 意外と安い(裏とり済)」
とかである。

まぁ、内容はともかくとして、
仕事中や家、散歩中であれ、
シンジはとにかくメモ帳と鉛筆は持って歩いている。
そしていつもみたくメモを取る。

一日に何度あるか分からないメモチャンスだけれども、
そういうときに、嫌でも気になることが、
「字の下手さ」である。



継続は力なり。

残念ながらシンジは物心ついたころから、
文字を書いているのだ。
誰しもそうだが。

書き続け、したため続け、
早四半世紀である。

そろそろチカラになってくれてもいいものだけれど、
ボク書いた字たちは、
一向に達筆へと変身する気配がない。
うーん。なぜか。



ところが話題はパクチーさんである。

ボクがパクチーさんに出会った6年前、
パクチーさんの文字はなんとも締まりのないものだった。
いわゆる丸文字である。

女子高生のノートに書いてあるような文字が、
彼女の大学ノートを埋めていた。

ところがつい先日、
彼女の書いた書類をチラッと見てみると、
そこには華麗に変身を遂げた「大人の字」があった。

書に詳しくはないので、上手に表現はできないが、
ビシッとしているのだが、無駄な力がグッと籠っておらず、
キチッと各文字のサイズが揃っているのだが、はらうところはバシッと大胆にはらう。
などと言うべきだろうか。
ミスター風に言うと、そう言うべきだろうか。



対してシンジはと言うと、
シンジを漢字で書くと「慎司」となるのだが、
シンジが署名する際には、
その「司」の右下の部分など、ここぞとばかりに下に伸びる。

そりゃもうズバッと伸びる。

伸びに伸びて、うんざりするぐらい下へ垂れ下がったあと、
ようやくハネる。
結果、「司」が一本足の提灯お化けみたいになる。

その長さたるや、
その縦線を使って「司」の下にもうひとつ「司」を書けるくらい長い。

それが繊細さを併せ持つものなら良いけれど、
誰が見ても、
「・・・ここぞとばかりに力を込めて」と感じるものなのだ。

この「慎司」の「司」をズバッと下に伸ばし続けて20年近く、
可哀想なのは漢字の方だ。
「司(つかさ)」など、意味・響きともに素晴らしい漢字なのだが、
20年近くもズバズバと右下を伸ばして書かれ、
提灯お化けにされた「司」は有に千を越えると思う。

「司」自身も「・・・こんなはずでは」と思っていると思う。



そんなボクとは対象的に、
パクチーさんは気付けば「大人の字」を手に入れていたのだけれど、
そのショックたるや、とてつもないものでした。

そこにあったのは「文」であった。

ボクの字を改めて眺めてみると、
一文を構成する漢字かな達が、
それぞれ「我が我が」と主張を繰り広げている感がある。
「ボクが主役だ」「いやオレだ」と内部で侃々諤々な文である。

それに対し、パクチー作「大人の字」は、
各文字達のチームワークにより、一つの「文」を形成していた。
「One for all, all for one」だ。
比べ、シンジが生んだ文字達は、
一銃士がただ偶然街中で三人揃ったようなデコボコっぷりである。


パクチーさんの字は短期間で見事に変身を遂げていたのである。
その事実にシンジは驚き、悔し涙を流した。



低能力の自覚なしに字の上達はあり得ない。
継続は力は嘘である。
下手こそものの上手なり。が真である。

このまま慎司の「司」を伸ばし続けては、
余生笑われて過すことになる。

字の練習と、過去に量産した下手な字達への供養を兼ねて、
シンジはいつも以上に丁寧に、
交差点でメモを取ってみた。

「なか卯のおさじは、非常に食べやすい曲面。何が違うのだろう?」
と書いてみたが、
なんとも下手な字に、しばし立ち止まりウンザリしてしまった。

いや、これからなのです。
下手こそものの上手なれ。
自覚したいまがスタートラインです。

最近、メモをいつもより丁寧に書くようにしていますよ。



では、また明日!
明日も元気!

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