2010年7月18日
オタク

「消える」
Camera: RICOH GR-DIGITAL Ⅱ
Lens:
Film:
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鉄オタという人がいる。
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こんにちは。シンジです。
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鉄道へ、情熱と愛情を注ぐ人がいる。
特に最近、マナー問題などでニュースになったりしているので、
もはや「鉄オタ」という存在は一般的に認識されていると言っていいと思います。
ボク自身、鉄道への愛情は、
そこまで深いものではありません。
いまだに新幹線の700系とN700系が、
どう違うのかも知りません。
日本の各駅への乗り入れ事情が複雑すぎて、
いまだに乗換のときには、
シンジは駅で迷子状態です。
駅員さんに訊かないと乗換すらまともにできません。
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ただ、電車に乗るのはすごい好きなんです。
小学校の高学年から、中学、高校まで、ほぼ毎日電車に乗っていました。
そして、その時間がすごい好きでした。
夜に車窓に流れて見える街の明かりや、
車内の蛍光灯の明かりも好きでした。
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いまではオタク、という言葉が、退化して、
イメージが限定されがちですが、
昔ではオタクというと、特定の分野に情熱を注いでいるだけの、
そんな意味合いだったと思います。
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いまでも覚えていることがあります。
小学校のとき、近所にNさんという同級生の女の子がいました。
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夏休みに、
ボクは一人で、野球の壁当てをしていたんですが、
そんなときに、Nさんのお父さんと会ったんです。
Nさんのお父さんと、特別仲が良かったわけではないんです。
会ったら挨拶をするくらいでした。
痩せっぽちでいつもスーツを着ていて、
朝に、会社に出かける姿しか覚えていません。
だけど、いまでもしっかりと覚えているのが、
そのとき、Nさんのお父さんがスゴい嬉しそうな顔で、
「シンジくん電車を見ないか?」って誘ってきたんです。
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小学生シンジは、よく分からないままNさんのお父さんについて行き、
Nさんの家に上がったんですよね。たしか。
そして、家の中から、Nさんの家のガレージに入ったんですよ。
ガレージは確か、車が2台入るくらいのスペースだったと思うんですが、
車は無かったんです。
Nさんのお父さんが電気をつけると、
ガレージ一杯に鉄道模型があったんです。
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いわゆるNゲージというものでしょうか。
すごい小さく精巧な電車が、これまた小さな線路の上に乗っていました。
そして、小さな家々の模型、ミニチュアの林、
山や橋までありました。
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裸電球のオレンジの光に照らされたガレージで、
Nさんのお父さんは、電車を動かすツマミのようなものを、
ボクに渡してくれて、
そのミニチュアの世界で、
いろんな電車を運転させてくれました。
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いまでこそ、インターネットで、
同じ嗜好を持つ人間と知り合うのは簡単です。
オタクは似た価値観を持つ仲間同士で群れ、
一般的な価値観との差異をも、ポジティブに捉えるだけの強さもあります。
ただそれはチームとしての感覚です。
そして、そういうオタク的な感覚は、
実は全部の人にあることも分かっています。
サイトの掲示板から、
SNSでのコミュニティー、
手段としてのメーリングリスト。
きりがないくらいの、
チームへの所属と連携があります。
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ただ、いまだから思うことかもしれないけど、
おそらく当時、Nさんのお父さんは恥ずかしかったんだと思います。
周囲でNさんのお父さんの情熱を知っている人は、いなかったと思う。
両親もNさんの家のガレージの秘密を知りませんでした。
「シンジくん、電車を見ないか?」って声をかけてきたときの、
Nさんのお父さんの顔は、本当に嬉しそうでした。
子供を探していたんだと思います。
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自分の価値観を、
他人と共有するには、
まず自分の一部をさらけ出す必要があります。
歳をとればとるほど、
社会へ適合していく自分を感じますが、
その蓋の硬さが増して行くのも、感じます。
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あのとき、ガレージにあった巨大な鉄道模型は、
本当に綺麗で、
オレンジ色に反射するレールの電気接点や、
ジオラマの町並みは、
ガレージに隠されて、
近所の子供や、家族にしか、
見せられないものだったんだと、思います。
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たぶん、いまでは、
Nさんのお父さんは、
インターネットで色んな仲間と知り合って、
ホームページとか作ったり、
いろんな電車に乗りに行ったり、してるんじゃないかな。
仲間うちで、今度うちのガレージを見にきてよ。なんて言ってるんじゃないかな。
あのときの少年シンジが、
京都からこんなブログを書いているなんて、
思ってもいないだろうな。
って、一人で思って、ちょっと嬉しくなりました。
そして、いつかまた、あのガレージを見せてほしいな。って思いました。
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明日も元気!
at
14:53 |
Category :
GR DIGITAL Ⅱ
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